E∝S (EMOTION influenced by SPACE)

建築家は人間の行為や環境を形にするのが専門ですが、大抵は人間工学という視点で集積されたデータの引用に頼っています。そこで身体で人間の感情や環境を表現しているパフォーマー(ZINJANTHROPUSBOISEI 中島諒人主宰)と共に、資料に頼らず、人間を題材に、空間を創造しようと試みました。また本企画は東洋大学大学院の私の授業の設計課題で、机上の設計から実務への橋渡しとなる実践経験を学生に提供したものであり、場所は六本木の旧三河台中学校体育館を借りました。

テーマは感情(Emotion)と空間(Space)の関係性の追及で、「E∝S」とは感情と空間の個性が比例関係にあるという仮説。人間同様、空間にも素材、形態、構成により様々な個性があり、空間の個性が人間の感情、性格に影響を与えることはもとより、人間も周囲の空間形成、変容に影響を与えると考えました。
展示は3つの個性(WARM、MODERATE、COOL)を与えた舞台のインスタレーション、公演はそこで人間が受ける感情及びそれがどう空間に作用するかを表現するパフォーマンスからなり、両者の関係性の例示と、観客への問題提起を行いました。

  1. 開催:2003.07
CG(warm)